ハイリスク・ハイリターンの金融商品として知られる、FX(為替証拠金取引)、先物取引、信用取引の3つの資産運用法を比較
3つの資産運用方法の共通点は、担保や証拠金を預けることで少額の資金でも大きな取引ができるということです。身の丈以上の投資をすることになるのでリターンも大きいですが、失敗したときの損失も大きいのでハイリスクな金融商品と言えます。
先物取引はちょっと特殊になりますが、簡単に言えばFXは為替取引ですし、信用取引は株式投資の一種です。投資のリスクや性質をよく知った投資上級者でないと成功するのは難しいかもしれません。
初心者の方や、堅実に資産を増やしたい方にはハイリスクの商品はおすすめできません。ミドルリスクの資産運用商品で十分投資経験をして、ある程度の実績を上げることができたら次のステップとしてハイリスク・ハイリターン型を考えるのがよいでしょう。
FX(為替証拠金取引)とは外国の通貨を売買して、為替差益を得る取引のことをいいます。円高で買って円安で売ることで差額が儲けになる仕組みです。また通貨間の金利差を利用して、金利の高い通貨との差額分をスワップポイントとして受け取ることができます。
レバレッジにより少額でも儲かる可能性がある
損失を出したときの備えが重要
将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引のことを先物取引といいます。慣例的に先物取引は商品先物を指す場合が多いですが、そのように定義づけされているわけではありません。
現物取引ではまず資金があることが前提ですから、それに見合った商品を買って高くなったら売るという構図で成り立っています。しかし、先物取引の場合は買いから入るのではなく、売りから入るということができるのが特長です。
株の信用取引と似ていますが、先物取引では決済を将来に先送りするだけで信用取引のように資金や証券の貸し借りは存在しません。
“売りで入る”とは、将来価格の下落を予想して商品を先に売却し、期日になったら買い戻すことでその差益を得るという方法です。価格が下落すると利益が出るというのは普通の感覚ではつかみづらいですが、将来の取引を約束する仕組みだから可能なのです。
先物取引がハイリスクと言われる理由
先物取引を実際に行うには商品代金の10%の証拠金(担保)と呼ばれる保証金が必要になります。逆に考えると証拠金の10倍の取引が可能になるという意味にもなります。
このようにレバレッジ(てこ)を効かせることで少額の証拠金でも大きな商いができるので、思惑通り進めば大きな利益を得ることができます。これは先物取引のメリットと言えますが、反対に大きな損失を生むことも忘れてはいけません。
損失は証拠金で補填することができますが、それも超える大きな損失が出てしまった場合は、損失額や証拠金が用意できなければ取引ができなくなってしまいます。不足分は返済しなければなりませんので、中には借金をしなければならない場合もあるでしょう。
現物取引の株式投資では会社が倒産してしまった場合、元手がゼロになることはあってもマイナスになることはありません。先物取引がハイリスク・ハイリターンな資産運用法だと言われるのはこのような理由からです。
信用取引
保証金や有価証券を担保にして証券会社からお金や株式を借りて、持っている資金以上の株式投資を行う資産運用のことを信用取引といいます。
上がりそうな株があるけど資金不足で購入できないという場合にお金を借りて(担保の3倍程度)投資することができる(信用買い)ということもありま すが、信用取引の場合は証券会社から株を借りて売っておき(信用売り)、株価が下がったら買い戻すことでの差益を得ることができるのが最大のメリットで しょう。
経済不況で相場全体が下がっていく状況では、通常は株式投資から遠ざかってしまいますが、株価が下がることで利益が出せるということは、資産運用のリスクヘッジとしても考えることができます。
信用取引を行う場合、以前は高額な保証金が必要でしたが最近では30万円程度から利用できる証券会社もありますので、相場を読む自信がある方なら利用したいと考えるでしょう。
信用取引は借金をするのと同じですから、現物取引にはないルールや制限事項があります。
その一つは制度信用取引と呼ばれますが、6ヶ月という期限が設定されていて借金を清算しなければならない点です。最近では無期限信用取引(一般信用 取引)という期限なしの信用取引も登場していますが、どちらも借金をしていることには代わりがないので金利が発生します。無期限信用取引の金利は期限がな い代わりに金利も高めに設定されていることが多いですから、利用する場合は注意が必要です。
もう一つ現物取引にはないものとして追い証というものがあります。追加で保証金が発生することですが、例えば信用買いをしていて株価が下がってしまった場合、株の担保価値も下がってしまうため信用が下がり、保証金の追加が必要になります。
レバレッジ効果(梃子入れ)で手持ち資金より大きな株式投資ができるのは信用取引のメリットでもあるわけですが、損失する場合も大きくなる可能性があります。